ブログ版水野義則Times(アーカイブ)

愛知県尾張旭市の水野義則です。市議会議員を4期13年、市長を2期6年9ヶ月務めさせていただきました。地方自治、政治に携わらせていただいておよそ20年、現職でなくなった今だからこそ発信できることがあると思います。「私が言う」ことで、多くの人が何かを考え、何かを感じていただければと思い、引き続き発信していきたいと思います。

法律

【簡略版】ふるさと納税制度について知っておいていただきたいこと

昨年末に、自作の図も入れてふるさと納税制度についてこのブログに書いたところ、「長くて読む気がしない」「難しくてよく分からない」「ピンとこない」などのご意見をいただきました。保険の約款や家電製品などの説明書、自治体の広報など、同じような理由で「読まない」「知らない」人も多いですが、後になって「聞いてない」「なぜ教えてくれなかったんだ」「そんな細かい文字読めない」など、揉め事になるケースもままありますので、本当は

難しく面倒くさいことほどしっかり

自分の知識とすることが、先々は自分のためになると思うのですが…。


そうも言ってられませんので、大切なポイントだけ、箇条書きなどで分かりやすく書いておきます。


・ふるさと納税制度は「納税」と言っているが実態は「寄附」である

・2千円の控除分を除いた金額が、国の所得税から還付および市県民税から減額される、一種の「減税」である

・5ヶ所まで確定申告が不要となるワンストップ制度を利用すると、国の所得税からの還付が無くなり、市県民税の減額分が増える、すなわち居住している市町村や都道府県の負担が大きくなる

・ワンストップ制度は自動で適用されるわけではなく、居住している市町村の税務担当者が税額計算する、という事務が増える

・5箇所を超えてふるさと納税した方に確定申告が必要な旨を通知する、という事務が居住している市町村に増える

・過剰な返礼品合戦にならないよう総務大臣から通知が出ている


<まとめ>
ふるさと納税制度を利用すると、自分が住んでいる自治体の税収が減り、事務作業が増えることになる

ふるさと納税の仕組み_ページ_03


返礼品を送ることで、ふるさと納税をしてくれる人が増え、自治体も潤い、地域の特産品のPRにもなり、地域の特産品を作っている企業や商店が潤えば、こんなに良いことは無いじゃないか、なぜやらないのか?という考え方があります。一方で、それはふるさと納税制度の趣旨の本筋ではなく、特産品でも何でも無いものをラインナップに加えて呼び水にしたりと、「2千円で高級なものをゲットして得したい」という、どうしても人間のエゴがむき出しにされてしまうことになり、その傾向は日本全体としてマイナスではないか、という疑問がつきまといます。

特産品等のPR、と言うのであれば、例えばその後その自治体に足を運んでいただいたり、受け取った返礼品のリピーター(ふるさと納税を介さずに)として何かを購入したり、という効果があって初めてその意義が達成されるものと考えます。

ということで、その折衷案、ではありませんが、落としどころとして、今尾張旭市なりのふるさと納税のシステムを若手を中心としたワーキンググループで検討中です。だいぶ煮詰まってきましたので、近いうちに発表できると思います。

国勢調査の回答をお願いします

平成27年の国勢調査が始まっています。国勢調査は5年ごとに実施される、日本国内に住むすべての人と世帯を対象とする、国の最も重要な統計調査です。その結果は、今後あらゆる施策実施の基礎データとなる、大変重要な調査です。

※統計法では、調査項目に回答する義務(報告義務)が定められており、回答を拒んだり虚偽の回答をした場合の罰則も定められています。

今回の調査からインターネットで回答が導入されており、9月10日(木)から9月20日(日)までの期間で既に始まっています。インターネット回答をされなかった方を対象に、改めて調査員がお伺いし、手描きの調査票を配付させていただき、後日再度回収のためにお伺いさせていただきます。可能であれば、インターネット回答をお願いしていますが、インターネット環境が無い方は調査票での回答をお願いします。

その他、国勢調査の詳細につきましては、総務省統計局の特設サイトをご参照下さい。


私も、皆さんにお願いするだけではいけないだろうと、インターネット回答をしてみました。確かに簡単に回答することが可能でしたし、これで調査員の方が私の家を訪問することもありません。

終了


ただ、個人的にはこの質問項目の回答に迷いましたが…。

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選挙日程にまつわるエトセトラ

統一地方選の前半戦とも言える愛知県知事選挙が終わりました。愛知県内では、いくつかの首長選挙が知事選挙と同日選となりました。この選挙日程について、

合わせてやると効率的

という認識が一般的になってきたようで、私のもとにもそうした質問や要望が届くようになりました。例えば「知事選挙は年末の衆議院議員選挙と一緒にやるべきだったのではないか?」とか「あなたも辞職して、市議選と合わせて選挙をやるべきではないか?」といったようなものです。本来「任期」というのは、あまり軽々しく変更すべきものではないと思いますが、そこにはそんなに簡単ではないからくりもありますので、簡単に書いてみたいと思います。

まず、私が辞職して市議選あるいは県議選と同日選挙にすることですが、これは可能です。市長が不在になって50日以内に選挙が行われることに法律でなっていますので、それに合わせて辞職の日を決めれば、後は選挙管理委員会がおそらく同日選に設定してくれると思います。3月は予算編成時期だから、そこは避けるべきだとか、そんなご意見もあります。

しかし、簡単にそうできない理由があります。


(地方公共団体の長の任期の起算の特例)
公職選挙法第259条の2  地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあつたことにより告示された地方公共団体の長の選挙において当選人となつたときは、その者の任期については、当該退職の申立て及び当該退職の申立てがあつたことにより告示された選挙がなかつたものとみなして前条の規定を適用する。


簡単に言いますと、辞職による選挙で現職が当選した場合は、任期は元々の任期の残任期間となる、ということです。つまり、仮に私が辞職して4月の同日選で改めて当選した場合、その任期は平成28年3月24日までと1年弱で再設定される、ということです。ですので、また平成28年2月頃に市長選挙が行われることになるので、現職が再立候補する以上いつまで経っても任期は揃わないことになります。名古屋市や大阪市では、この特例が適用されています。最近では、金沢市長が場外馬券売り場の問題で辞職して、10/5の選挙で再当選したものの、その任期が12/9までだったので、またすぐに市長選挙を実施した、ということがありました。

ですので、もう立候補しないと決めた時には、こういうこともあり得ますが、今は意味が無いということをご理解いただきたいと思います。


それから、一宮市が現職の辞職により知事選と同日選となり、約4千万円が節約できた、というニュースが流れ、これは素晴らしい、よそでもやるべきではないか、という声が上がっていましたが、これもそんな単純な話ではありません。

一宮市長の任期はもともと1/23まででした。そこまで待っていると2/1の同日選とはなりませんので、1/19付で退職することを12/15付で申し出るという、ちょっと裏ワザのような手法で、50日の規定をある意味逆手に取って無理矢理同日選としたものです。普通に1/19に辞職すれば、そこから準備して動きますので、2/1の同日選とはならないためこうした手法が取られたものと思います。

しかし今回、一宮新市長の任期は2/1からスタートとなります。市長が不在の状況ですから、私と同じで当選日が就任日となります。このまま4年後を迎えるとどうなるでしょうか?選挙はだいたい、任期切れの1ヶ月くらい前から2週間くらい前までの間に行われることが多いですので、年末年始をまたがないとなると、年末最後の日曜日か、年始早々に告示かのどちらかになると思われます。あれ?今度は知事選と同日選になりませんね。

そうなんです。このままですと、同日選でできるのは1回限りなのです。もっとも、毎回同じ手法で12月に1月末での退職を申し出ればもしかしたら合うかもしれませんが、その場合知事選の日程が2/1より前か後かでずいぶん事情が変わります。4年後はおそらく投票日が2/3になると思いますが、その場合は2/3から新しい任期が始まりますので大丈夫です。しかしもし、1/27が投票日となりますと、現職が当選した場合は残任期間、つまり1/31までの5日間が任期ということになり、また市長選挙を実施しなければならないので、おそらくこの手法が取られないでしょう。そしてこれが、現職が引退しない限りずっと続くことになります。

では他の自治体はどうだったのかと任期を確認してみたところ

愛知県:2/15~
小牧市:2/26~
安城市:2/15~

ということで、同日選にすることが可能な日付になっています。

1回だけでも税金が節約できればいいじゃないか、という考え方もあろうかと思いますが、今後年末か年始に選挙を迎えて、その後知事選、県議選、市議選と選挙が4回続くことになる、という点を考えますと、今回の同日選が必ずしも幸せではなかったのではないか、という気もしてしまいます。まあ、そこも一宮市民が考えることですが。

教える





露出が少ない?

最近よく言われるのですが、

他の人のビラは入っていたのにお前のは入っていない

という、露出が少ない、活動していないイメージがあるようです。確かに、支援をいただいている政治団体のビラだけなので、名前も無ければ顔写真もありません。私は法律を解釈する人ではありませんし、選挙管理委員会でもありませんので、判断する訳ではありませんが、公職選挙法第143条の16の規程を厳密に解釈し、私の陣営ではそのように判断され得る活動を止めています。他の陣営がどのように判断され、活動されているのかは分かりません。そのような事情をお汲み取りいただけますと幸いです。


第百四十三条  (略)
16  公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この項において「公職の候補者等」という。)の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名又は当該公職の候補者等の氏名が類推されるような事項を表示する文書図画及び第百九十九条の五第一項に規定する後援団体(以下この項において「後援団体」という。)の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示する文書図画で、次に掲げるもの以外のものを掲示する行為は、第一項の禁止行為に該当するものとみなす。
 立札及び看板の類で、公職の候補者等一人につき又は同一の公職の候補者等に係る後援団体のすべてを通じて政令で定める総数の範囲内で、かつ、当該公職の候補者等又は当該後援団体が政治活動のために使用する事務所ごとにその場所において通じて二を限り、掲示されるもの
 ポスターで、当該ポスターを掲示するためのベニヤ板、プラスチック板その他これらに類するものを用いて掲示されるもの以外のもの(公職の候補者等若しくは後援団体の政治活動のために使用する事務所若しくは連絡所を表示し、又は後援団体の構成員であることを表示するために掲示されるもの及び第十九項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内に当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内に掲示されるものを除く。)
 政治活動のためにする演説会、講演会、研修会その他これらに類する集会(以下この号において「演説会等」という。)の会場において当該演説会等の開催中使用されるもの
 第十四章の三の規定により使用することができるもの

政治資金規制法と政治資金パーティー

少し前に、何人かの知人から某知事の政治資金パーティーのパーティー券を購入してもらえないか?という打診がありました。もともと行く気も全く無いのですが、既に用事があった日でもあり「その日は都合も悪いし」と断ると、

購入するだけで良いから

とのこと。もちろん、行きもしないパーティー券を買うほど余裕も無いので、しっかりお断りしましたが、実はここに政治とカネのからくりが隠されています。

政治資金パーティは、講演会とセットになっていたりしますが、ホテル等で立食パーティをやって○万円、というようなのが多いと思います。個人の政治家がやったり、政党がやったりしますが、おかしなことに

歩留り

を計算するらしいです。普通のパーティーなら、欠席する人を見こんだりはしないものですが、このパーティーの場合は、この歩留りの「ヨミ」が収益を左右します。立食パーティーなんで、数人増減しても、対して用意する食事の量は変わりません。あまりに食べるものが無いと参加者から文句も出ますが、余らせてももったいないだけです。ということで、なるべくぎりぎりの食事を用意する、できれば欠席してもらった方がありがたい、そんな変なパーティーなのです。

だから企業などは、お付き合いで10枚買って、当日は社員が4~5人行く、なんてケースが多いようです。政治家への寄付は政治資金規正法でがちがちに規制されていますから、事実上パーティー券を購入するのが寄付のようなものとも言えます。政治資金規正法でもこれは正規のものとして認められていますので、年間の収支報告にも別欄で用意されています。私は使用したことがありませんが。

それで、パーティーと言えば政治家、という感じで、最近は当たり前のようにイメージされていますが、果たしてそれは良いのでしょうか?奇しくも、減税日本が政治資金はパーティーで調達する、なんて話がニュースで流れていましたが、確かに政党助成金や税金に頼らない、という点で何か格好よく見えるかもしれませんが、結局は

庶民からお金を巻き上げている

ことにはならないのでしょうか?原価ウン千円のパーティーで何万円も取るのも異常ですし、ウン万円のパーティー券を購入しておいて行かないというのも異常だと思います。それこそ庶民感覚からかけ離れているのではないでしょうか?いまどき、結構立派な結構披露宴の料理でもこんなにしないと思いますし、それを収入源とすると豪語できるのですから、相当儲かるのだと思います。結局「だれそれは何枚買ってくれた」とか「あの時パー券買ってやったのに」とかいう話になるのであれば、それはもう寄付と変わらないのではないかと思います。

日本は、政治とカネというとすぐ賄賂が頭に浮かびますし、政治家に寄付するという感覚が希薄です。何で税金でぜいたくしてる奴らにお金をあげなきゃいけないんだ、こっちが欲しいくらいだ、という感覚だと思います。しかし、先日ある国会議員が、1回の会報発行に60万円くらい送料でかかると言っていたように、ちゃんとした政治活動にはお金がかかります。印刷代まで入れたら100万円コースのこのお金を、毎月支給されるものだけでまかなうのはかなり大変だと思います。真面目に活動すればするほど足りません。しかし、今世の中の流れは、この毎月の支給分も減らせ、ボランティアでやれ、ということになっています。その代わり、資金はぼったくりパーティーで稼ぎます、というのはなんか変な気がします。アメリカの大統領選挙では、ネットで莫大な献金が集まったりしますが、日本もそろそろ、まっとうな政治活動を有権者が評価し、その対価として応援したい政治家に寄付できるような仕組みにしていく必要があるのではないかと、高い高いパーティー券の話を聞いていつも思います。

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