統一地方選の前半戦とも言える愛知県知事選挙が終わりました。愛知県内では、いくつかの首長選挙が知事選挙と同日選となりました。この選挙日程について、
合わせてやると効率的
という認識が一般的になってきたようで、私のもとにもそうした質問や要望が届くようになりました。例えば「知事選挙は年末の衆議院議員選挙と一緒にやるべきだったのではないか?」とか「あなたも辞職して、市議選と合わせて選挙をやるべきではないか?」といったようなものです。本来「任期」というのは、あまり軽々しく変更すべきものではないと思いますが、そこにはそんなに簡単ではないからくりもありますので、簡単に書いてみたいと思います。
まず、私が辞職して市議選あるいは県議選と同日選挙にすることですが、これは可能です。市長が不在になって50日以内に選挙が行われることに法律でなっていますので、それに合わせて辞職の日を決めれば、後は選挙管理委員会がおそらく同日選に設定してくれると思います。3月は予算編成時期だから、そこは避けるべきだとか、そんなご意見もあります。
しかし、簡単にそうできない理由があります。
(地方公共団体の長の任期の起算の特例)
公職選挙法第259条の2 地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあつたことにより告示された地方公共団体の長の選挙において当選人となつたときは、その者の任期については、当該退職の申立て及び当該退職の申立てがあつたことにより告示された選挙がなかつたものとみなして前条の規定を適用する。
簡単に言いますと、辞職による選挙で現職が当選した場合は、任期は元々の任期の残任期間となる、ということです。つまり、仮に私が辞職して4月の同日選で改めて当選した場合、その任期は平成28年3月24日までと1年弱で再設定される、ということです。ですので、また平成28年2月頃に市長選挙が行われることになるので、現職が再立候補する以上いつまで経っても任期は揃わないことになります。名古屋市や大阪市では、この特例が適用されています。最近では、金沢市長が場外馬券売り場の問題で辞職して、10/5の選挙で再当選したものの、その任期が12/9までだったので、またすぐに市長選挙を実施した、ということがありました。
ですので、もう立候補しないと決めた時には、こういうこともあり得ますが、今は意味が無いということをご理解いただきたいと思います。
それから、一宮市が現職の辞職により知事選と同日選となり、約4千万円が節約できた、というニュースが流れ、これは素晴らしい、よそでもやるべきではないか、という声が上がっていましたが、これもそんな単純な話ではありません。
一宮市長の任期はもともと1/23まででした。そこまで待っていると2/1の同日選とはなりませんので、1/19付で退職することを12/15付で申し出るという、ちょっと裏ワザのような手法で、50日の規定をある意味逆手に取って無理矢理同日選としたものです。普通に1/19に辞職すれば、そこから準備して動きますので、2/1の同日選とはならないためこうした手法が取られたものと思います。
しかし今回、一宮新市長の任期は2/1からスタートとなります。市長が不在の状況ですから、私と同じで当選日が就任日となります。このまま4年後を迎えるとどうなるでしょうか?選挙はだいたい、任期切れの1ヶ月くらい前から2週間くらい前までの間に行われることが多いですので、年末年始をまたがないとなると、年末最後の日曜日か、年始早々に告示かのどちらかになると思われます。あれ?今度は知事選と同日選になりませんね。
そうなんです。このままですと、同日選でできるのは1回限りなのです。もっとも、毎回同じ手法で12月に1月末での退職を申し出ればもしかしたら合うかもしれませんが、その場合知事選の日程が2/1より前か後かでずいぶん事情が変わります。4年後はおそらく投票日が2/3になると思いますが、その場合は2/3から新しい任期が始まりますので大丈夫です。しかしもし、1/27が投票日となりますと、現職が当選した場合は残任期間、つまり1/31までの5日間が任期ということになり、また市長選挙を実施しなければならないので、おそらくこの手法が取られないでしょう。そしてこれが、現職が引退しない限りずっと続くことになります。
では他の自治体はどうだったのかと任期を確認してみたところ
愛知県:2/15~
小牧市:2/26~
安城市:2/15~
ということで、同日選にすることが可能な日付になっています。
1回だけでも税金が節約できればいいじゃないか、という考え方もあろうかと思いますが、今後年末か年始に選挙を迎えて、その後知事選、県議選、市議選と選挙が4回続くことになる、という点を考えますと、今回の同日選が必ずしも幸せではなかったのではないか、という気もしてしまいます。まあ、そこも一宮市民が考えることですが。
合わせてやると効率的
という認識が一般的になってきたようで、私のもとにもそうした質問や要望が届くようになりました。例えば「知事選挙は年末の衆議院議員選挙と一緒にやるべきだったのではないか?」とか「あなたも辞職して、市議選と合わせて選挙をやるべきではないか?」といったようなものです。本来「任期」というのは、あまり軽々しく変更すべきものではないと思いますが、そこにはそんなに簡単ではないからくりもありますので、簡単に書いてみたいと思います。
まず、私が辞職して市議選あるいは県議選と同日選挙にすることですが、これは可能です。市長が不在になって50日以内に選挙が行われることに法律でなっていますので、それに合わせて辞職の日を決めれば、後は選挙管理委員会がおそらく同日選に設定してくれると思います。3月は予算編成時期だから、そこは避けるべきだとか、そんなご意見もあります。
しかし、簡単にそうできない理由があります。
(地方公共団体の長の任期の起算の特例)
公職選挙法第259条の2 地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあつたことにより告示された地方公共団体の長の選挙において当選人となつたときは、その者の任期については、当該退職の申立て及び当該退職の申立てがあつたことにより告示された選挙がなかつたものとみなして前条の規定を適用する。
簡単に言いますと、辞職による選挙で現職が当選した場合は、任期は元々の任期の残任期間となる、ということです。つまり、仮に私が辞職して4月の同日選で改めて当選した場合、その任期は平成28年3月24日までと1年弱で再設定される、ということです。ですので、また平成28年2月頃に市長選挙が行われることになるので、現職が再立候補する以上いつまで経っても任期は揃わないことになります。名古屋市や大阪市では、この特例が適用されています。最近では、金沢市長が場外馬券売り場の問題で辞職して、10/5の選挙で再当選したものの、その任期が12/9までだったので、またすぐに市長選挙を実施した、ということがありました。
ですので、もう立候補しないと決めた時には、こういうこともあり得ますが、今は意味が無いということをご理解いただきたいと思います。
それから、一宮市が現職の辞職により知事選と同日選となり、約4千万円が節約できた、というニュースが流れ、これは素晴らしい、よそでもやるべきではないか、という声が上がっていましたが、これもそんな単純な話ではありません。
一宮市長の任期はもともと1/23まででした。そこまで待っていると2/1の同日選とはなりませんので、1/19付で退職することを12/15付で申し出るという、ちょっと裏ワザのような手法で、50日の規定をある意味逆手に取って無理矢理同日選としたものです。普通に1/19に辞職すれば、そこから準備して動きますので、2/1の同日選とはならないためこうした手法が取られたものと思います。
しかし今回、一宮新市長の任期は2/1からスタートとなります。市長が不在の状況ですから、私と同じで当選日が就任日となります。このまま4年後を迎えるとどうなるでしょうか?選挙はだいたい、任期切れの1ヶ月くらい前から2週間くらい前までの間に行われることが多いですので、年末年始をまたがないとなると、年末最後の日曜日か、年始早々に告示かのどちらかになると思われます。あれ?今度は知事選と同日選になりませんね。
そうなんです。このままですと、同日選でできるのは1回限りなのです。もっとも、毎回同じ手法で12月に1月末での退職を申し出ればもしかしたら合うかもしれませんが、その場合知事選の日程が2/1より前か後かでずいぶん事情が変わります。4年後はおそらく投票日が2/3になると思いますが、その場合は2/3から新しい任期が始まりますので大丈夫です。しかしもし、1/27が投票日となりますと、現職が当選した場合は残任期間、つまり1/31までの5日間が任期ということになり、また市長選挙を実施しなければならないので、おそらくこの手法が取られないでしょう。そしてこれが、現職が引退しない限りずっと続くことになります。
では他の自治体はどうだったのかと任期を確認してみたところ
愛知県:2/15~
小牧市:2/26~
安城市:2/15~
ということで、同日選にすることが可能な日付になっています。
1回だけでも税金が節約できればいいじゃないか、という考え方もあろうかと思いますが、今後年末か年始に選挙を迎えて、その後知事選、県議選、市議選と選挙が4回続くことになる、という点を考えますと、今回の同日選が必ずしも幸せではなかったのではないか、という気もしてしまいます。まあ、そこも一宮市民が考えることですが。