ブログ版水野義則Times(アーカイブ)

愛知県尾張旭市の水野義則です。市議会議員を4期13年、市長を2期6年9ヶ月務めさせていただきました。地方自治、政治に携わらせていただいておよそ20年、現職でなくなった今だからこそ発信できることがあると思います。「私が言う」ことで、多くの人が何かを考え、何かを感じていただければと思い、引き続き発信していきたいと思います。

街宣車の規制除外とは?

世間一般では「街宣車」と呼ばれていますが、公職選挙法上は「選挙運動用自動車」と記されています。

この街宣車ですが、たまに「?」と思ったことはありませんか?あれは道交法違反なのでは…?と思った方はおられると思います。実際に、選挙期間中は「あれは違反なのでは?」という問い合わせが警察にいくようです。

実際には、街宣車はいくつか交通規制の対象除外となっています。

通行禁止…歩行者用道路、一方通行および指定方向外進行禁止等
通行区分の指定…バス専用通行帯等
駐車禁止…指定駐車禁止(法定は除く)
時間制限駐車区間…パーキングメーター設置箇所

一方通行などは有名ですが、驚いたことに歩道も通行ができます。ただし、歩行者等の危険にならないように注意することが大前提です。パーキングメーターは、駐車しても作動させなくても良いことになっています。

それから、シートベルトも乗車した者は不要となっています。

いずれも、危険が回避されていることが条件ですが、シートベルト無しでも、歩道に乗り上げて街頭演説をしていても、それは違反にはならないことになっている訳です。ただ、それでもシートベルトをしている候補者や、これらの除外項目に抵触しないようにしている候補者もいます。なぜなら、一般の方はこれらの除外事項をほとんご存じないからです。そういう方から見れば、「シートベルトもしていない。あんな候補者には入れない」ですとか「歩道に車停めて邪魔だな。絶対に入れない」という感情になるであろうから、敢えてそれをする必要もないか、という判断なのだと思います。

道路事情も年々変わっていますし、法律もそれに合わせていくべきなのではないでしょうか。そろそろ、選挙活動用自動車の文化も替え時かもしれません。






爪の先ほどの関係

「爪の先ほど」と言いますと、非常に小さい、か細いものを指すと思います。選挙というのは、本当に小さく、か細い縁を頼りに支援をお願いする、という側面があります。同級生ならまだしも、随分年の離れた同窓生にも「同じ学校を出た」という縁でお願いしたりします。なので、会ったこともない人にお願いする/される、というのはよくある話です。時には、親戚のおばさんの隣の家の人の知り合いとか「どうやって説明すんねん!」みたいな方を紹介されたり、あだ名で呼んでいた同級生の本当の名前が分からず(読めず)不審者扱いされる、なんてこともあったりします。

最近、こうした傾向に変化が出てきたように感じます。それは、個人情報保護法の施行により、いわゆる「名簿」というものの取り扱いが非常に厳しくなったことが原因です。今や、電話帳に名前が載っていないなんてよくある話で、電話帳を見て電話を掛けても「個人情報が漏れた」と怒られることもあったりします。すこし過敏すぎる感もありますが、これも時代の流れなのかもしれません。

そういう意味では、昔ながらの選挙が通じなくなってきていて、一発何か目立つことをやってやろう、とか、有名人を使って目立とう、とか、そういう違った意味での本質的でない選挙が展開される風潮があるように思います。

今は、インターネットを利用した選挙運動は禁止されていますが、解禁になったときには、大量のメールアドレスが名簿の代わりに高額で売買されるようになるのかもしれません。こうした、間違った風潮をヤメさせるには、選ぶ側/選ばれる側の意識改革が必須だと思います。

あいさつに来たか?

政治家には、何だか固定されたイメージがあると感じます。選挙と言えば事務所だし、政治家と言えば後援会、みたいな。間違いではないかもしれませんが、それだけでもないような気がします。もう一つよく言われるのが「あいさつ」です。「お前はちっともあいさつに来ない」とよく言われますが、政治家というのは家まで行ってあいさつするもの、というイメージがあるようです。

支援者の家を1軒ずつ回って支援をお願いする「あいさつ」は、後援会活動として行われているようです。実は、選挙期間中は「戸別訪問」は禁止されていて、あいさつ目的で家の敷地に入った時点でアウト、と言われています。後援会活動でも、のべつまくなしにピンポンして回るとアウトで、1軒おきなら大丈夫とか、個別訪問なら大丈夫とか言う人もありますが、公職選挙法で「ここまでは大丈夫」と書いてある訳ではありません。そもそも、後援会活動とか政治活動とか選挙運動とか、あまり明確ではありません。投票を依頼したらアウトですが「応援してください」はどっちなんだ?なんて話もあります。

私は、よほどお願いしたいことがあるときにお願いしにいくくらいで、ピンポンして家を訪問することはほとんどありません。それで「あいさつがない」と怒られるのですが、そういうことを政治家に期待してきた社会が、政治家という存在をダメにした気がしてなりません。自分がただ単に選ぶ方なら、忙しいときにピンポンしてきて、玄関で「応援してください」なんて言っていった人には入れないでしょう。というか、顔を見たことがあるとか、あいさつに来たとか、そんなことでは選びません。

もうそろそろ、そういう古い選挙・政治家らは脱却する時期に来ているのではないでしょうか?有権者の選び方が変われば、選ばれる方も変わってくる、そんな思いがしています。


アクセスカウンター

    最新コメント
    プロフィール

    mizunoyoshinori

    記事検索
    月別アーカイブ
    QRコード
    QRコード