統一地方選挙の後半戦が終わり、10連休というGWも終わり、いよいよ本格始動する地方議会が増えてくると思います。まずは会派の割り振り、そして正副議長から正副委員長までの駆け引きでしょうか。議会選出の監査委員を議会三役とみなして、議会人事の中で議論するのは本来は筋違いですし、いい加減止めた方が良いと思いますが。

そんな統一地方選挙の後半戦も、やたらと「無投票当選批判」がなされていました。みっともない話ですし、そうやって市民の負の感情を煽ることしか考えていないのかと辟易します。無投票は候補者からすると結果でしかありません。どんな候補者でも、人生をかけて立候補するという決断をしています。無投票だと真剣に議論しなくなる、とかいう話は全く理解ができません。一度、人生をかけて記者を辞して立候補してみたらよろしいと思います。会社も、ちゃんと戻れる保証をしてあげれば良いのでは?そういうことをせずに、無投票当選者を叩くのは全くナンセンスです。

一方で、候補者不足に悩む議会も全国には少なくありません。そんな中、長野県辰野町議会議員選挙で無投票当選した議員が、1日で辞職したことが話題になっています。

定数割れ無投票当選者が辞退申し出…選管苦慮(読売新聞オンラインより)

無投票当選新人 任期初日に辞職 辰野町議会 欠員2に(信毎webより)

あまり詳しく書かれていない、というか辞職した人を非難するような内容になっていますが、実際は「定員割れになりそうだからと立候補するのは卑怯だ、ズルい」「空きがあるからと立候補するのは盗人猛々しい」というような非難、批判が殺到して、辞めざるをえなかったようです。全くバカげた話です。情勢はどうであれ、人生をかけて立候補届を提出するという決断をした人を、しなかった人が批判するのはおかしいです。なった後がとても大変な職業ですから。他人が得することを自分の損と考える、他人の幸せを許せない最近の日本人の気質がにじみ出ている気がしますが、辞職せずに「仕事で返す、見ていて」と言って欲しかったと残念でなりません。議員って、当選後の仕事でしかお返しできない職業ですから。

無投票当選者を叩くよう世論を煽ってきた影響が、こんなところにも出ていると思います。定数14のところを欠員がもはや2、あと1人辞職したり、亡くなったりしたら補欠選挙をやらなければなりません。立候補した人を引きずり下ろしておいて、全く無駄な話です。