今日も朝は徒歩で登庁しました。革靴だとなかなか2.5km歩くのは辛いですが、可能な時はウォーキングシューズで歩いていて、今日はそうしました。


午後から土地開発公社の理事会を開催しました。今日の議案の中で、健全化計画通りに平成29年度で簿価総額がゼロになり、平成30年度は解散に向けた事務費のみを計上、そして解散についての同意もいただきました。

私が議員になった当時、「塩漬けの土地」が全国的に問題になっていて、尾張旭市も確か愛知県で塩漬け率が3番目くらいでした。塩漬けの定義は、購入して5年以内に使われない土地、だったと思います。バブルの頃は土地は値上がりを続け、元々土地の少ない尾張旭市ではかなりの地価上昇となり、売りに出される土地そのものが希少物件となりました。各年度の事業で購入できる土地の量というか予算は上限があり、そんなことを言っているうちにどんどん土地の価値が上がったり、他に売られてしまったりすると事業そのものが進捗しない、ということで土地開発公社を立ち上げて土地を先行取得しておき、後で買い戻すという手法をとってきました。この地域では先行して土地開発公社を立ち上げ、他の自治体がどんどん参考にしていった、と当時の担当の方は言っておられました。そうして役割を果たしてきた土地開発公社ですが、バブル崩壊以降は土地の価値が急激に下落し、いつしか悪者扱いに。当時先行取得した土地は、面積も簿価も大きいものは事業の進捗が見えない中ではなかなか買い戻しができず、利息が膨らんで簿価が上がり、地価そのものは下がるという悪循環に陥りました。

議員になった当時は既にバブル崩壊後、この問題が新聞等でも取り沙汰され、中には「議員と職員の個人資産で弁済せよ」と言ってくる方もありました。調べたら、いけいけどんどん、土地を先行取得しまくっていた当時の関係者で、むしろ貴方が止めなかったからじゃないのか?と自分が関わってから新規取得をしていない私は驚いたこともありました。実際、地価の現額と簿価の間には相当な隔たりがあると思います。その結果だけ見て「税金の無駄遣いだ!」と糾弾することは簡単なことですが、ようやく一般会計に負担をかけて買い戻しが終わりましたので、他の市有地と合わせて、有効活用や売却ということを積極的に考えて実施していくことが私に課せられた使命だと思っています。同様に、一部で「塩漬けだ」と言われている平子北市有地につきましては、現状は旭労災病院の建て替え工事のために一部貸し付けており、グランド部分も無料で野球等で使用していただいていますので、土地的にも管理費用的にも決して現状は塩漬けではありません。


「致知」という雑誌がありますが、毎号読み応えが凄いので、失礼ながら目次を見て興味のある記事だけ読んでいます。そんな中、3月号では気になる、というか多くの人に読んでいただきたい内容がたくさんありました。まずはイエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんと歌手の佐藤しのぶさんの対談。鍵山さんは、ご自身が立ち上げられた「日本を美しくする会」の清掃活動でも有名で、致知誌にもよく登場されますが、その対談の中で「最近は『自分ファースト』の人が増えたが、それでは日本は滅びる」という内容は、まさに多くの日本人に読んでいただきたい部分です。「いまの日本人は、自分にとって都合や条件がいいことを幸せだと勘違いしている」とも書かれていましたが、まさにその通りだと思います。人間ですから、自分や家族、あるいは周りの近しい人の幸せを求めるのはそれは自然なことだと思います。しかしそれがエスカレートして、他人を不幸にしてでも自分が幸せになりたい、面倒なことは避けたい、嫌なことは関わりたくない、そうなってしまっては自治体とか国家は成り立ちません。

この対談の流れで出てきた詩と、その後の特集ページで出てきた詩は同じものでした。それは坂村真民氏の「あとから来る者のために」という詩です。

あとからくる者のために
田畑を耕し
種を用意しておくのだ
山を
川を
海を
きれいにしておくのだ
ああ
あとからくる者のために
苦労をし
我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みなそれぞれ自分にできる
何かをしてゆくのだ

もう何か、今の日本人に必要なことが全て入っている、そんな気すらする詩です。たぶん、そんなおおそれたことは求められてなくて、普段のちょっとした気持ちの持ち方、そんなことが求められているのだと思います。

少し汚い話になりますので、気になる方は読み飛ばして下さい。

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この写真、私がある日、某所の男子トイレで撮影したものです。トイレで撮影、というのは決してマナーとしては良くないことですが、誰もいないのを確認した上で、自分は使いませんでしたがペーパーを交換した上で、ホルダーにかかっていたものを撮影しました。

私、こういう状態でペーパーホルダーにかかっているのを良く見ますし、気づいたらペーパーの交換をしています。あとから来る者のために、を考えれば、当然自分はもう使わなくても、交換しておくのが当たり前だと思いますが、現実はそうなっていません。あとから来る者が交換すればいい、あるいは掃除の人が交換すればいい、清掃委託料は払っているのだから、ということなのでしょう。空の芯がかかっていればまだご愛嬌、よくあるのは写真のように「ごくわずか残した状態でかかっている」芯です。代弁すれば「自分は使い切っていないのだから交換する義務はない」「まだ使えるのに交換するのはエコではない」といったところでしょうか。この場合、この残りを使えることはまず無いでしょうし、使い切ったら交換しなければならないことを知っていて、あえて残したとすれば、そこに心の卑しさがすけて見えます。あとから来る者のために、今自分ができることは何なのか、何か無いのか、常に心の中で考えておくような人ばかりでなければ、この国の未来は無いような気がします。

もう一つ、「人口減少で日本に何が起こるか」という特集は、ぜひ日本国民全員に読んでいただきたいです。「このままでは、日本という国家は早晩成り立たなくなる。私たちはこの"不都合な真実”から目を背けず、それに立ち向かっていかなければならない。」というのはまさにその通りだと思います。ある首長の発言が引用されていましたが、「我々の自治体には、若者が東京からたくさん戻ってきている」というのは、まさにありがちは地方創生策の結果なのではないでしょうか。何かが無料とか、移住したらお金が貰えるだとか、そういうことで目先の人口増を図っても、筆者が「世の中はすべて繋がっており、自分の所だけ人を増やしても問題解決とはならない」と書いている通りだと思います。少し前に別の雑誌で福嶋浩彦氏が「ゼロサム競争」と書いておられたのも同じことです。近隣から納税者層を奪って、自分のところだけ生き残ればいい、そんな自治体間競争には未来はありません。

ある会合で別の首長さんが「人口増やして財政基盤強化しろとか好き勝手言うけど、そうなると高齢者とか障がい者とかお金のかかる人は出ていけということになってしまう。そんなことは自治体ではできない」とおっしゃっておられました。誤解のないように言っておきますが、私の発言ではありません。しかし、日頃、あれもやってくれ、これもやってくれ、あれは無料にしてくれ、それを増やしてくれ、と言われ続けている首長の本音、とも言えるでしょう。尾張旭市も、第5次総合計画の中で人口増加のチャレンジを謳っており、それは地方創生が言われるかなり前から始めています。しかしその内容は決して、無料とか支度金とか見た目で釣るようなことではなく、あくまで「まち」としての魅力を高めた上で、サービスの集中と選択をしながら総合力で目指していくものです。収入増に繋がる層だけを集めて、渡り鳥のような移住民を増やすのではなく、あくまで終の棲家として選ばれる「定住」を目指すものです。甘いと言われるかもしれない、ぬるいと言われるかもしれない、それでも私はそれぞれに生きがい、生き場のあるまちづくりを進めていく覚悟です。その評価は、歴史がしてくれる、歴史の中でしかできないことだと思っています。


<市長公務2148日目>
11時~ 面会
14時~ 尾張旭市土地開発公社理事会
15時15分~ 打ち合わせ