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今日は、地元の伊達市議と霊山町の方のご案内で、飯舘村から南相馬市に抜け、相馬市まで北上して被災地の現状を見せていただきました。宮城県まではたどり着きませんでしたが、その被害状況は想像を絶するものでした。これでも4月に比べればまだ片付いた方だというお話でした。もう、ただただ、絶句するだけでした。南相馬市と相馬市では、復旧の速度が違うのも新たな認識でした。相馬市の方が、まだまだガレキ山積み状態という印象を受けました。

しかしながら、やはり福島県を一番悩ませているのは、何と言っても原発事故による放射線問題です。実は、放射線は同心円状に広がるのではなく、飛び散ったところで雨や雪が降ったところに多く降り注いだとのことで、盆地や国道など、空気の通り道だったり盆地で滞留するところだったり、そういう場所のほうが放射線数値は高くなっていました。特に飯舘村に接する旧霊山町のエリアはまだらに放射線数値が高く、避難勧奨地域では3ヶ月間、一人あたり10万円が支給され、固定資産税・国民健康保険税・国民年金・医療費などが免除となり、たまたま指定された家と、そうでない家の格差が大きく、コミュニティの崩壊を招いているとの話には驚きました。たまたま測定した時の数値で判断される、そんな状況に矛盾を感じました。

除染も話題になっていますが、7月に除染した場所は、既に放射線量が3倍以上になっており、広い範囲で一斉に除染しないと意味がないことが分かりましたが、その費用と、処分方法が問題になりなかなか進まないようです。

当事者の皆様のお話は、本当に身につまされることばかりでした。本来なら、子どもを守るために避難したい、しかし避難先で仕事があるのか、いっそのこと避難指示が出てくれたら…、そんな葛藤の中、ゆうに生活できるとされる基準値の0.3マイクロシーベルト/Hをはるかに超える放射線の中で生活しておられる苦悩が、よく分かりました。「福島県」というくくりでは語れない、地域ごとの事情がそこにはありました。

・現実を知ること
・それを伝えること
・当事者の生の意見を聞くこと

これがまず我々にできること、そしてそれが「チェルノブイリ」という地名から連想するように、「フクシマ」という地名のイメージが悪くならないよう、風評被害を防ぐことに繋がります。

愛知県は今、汚染ガレキの受け入れでもめていますが、福島の方々は、県外に持ち出すことを望んでいません。むしろそれで放射線が拡散し、風評被害が広がることを恐れておられます。県内で処理できるよう、焼却施設にバグフィルターを設置すること、その費用を国全体で支援することのほうが、よほど福島県の皆さんの意向に沿えます。そうした実情を我々は伝えていかなければなりません。