元市長の、わたいう

愛知県尾張旭市の水野義則です。市議会議員を4期13年、市長を2期6年9ヶ月務めさせていただきました。地方自治、政治に携わらせていただいておよそ20年、現職でなくなった今だからこそ発信できることがあると思います。「私が言う」ことで、多くの人が何かを考え、何かを感じていただければと思い、引き続き発信していきたいと思います。

制限されるあいさつ行為

尾張旭市議会議員一般選挙が4月24日に執行され、4期目の当選をさせていただくことができました。事前のあいさつ回りをほとんどせず、選挙期間中の電話による支援依頼もしない中で、1,490票での5番目での当選と、いずれもこれまで4回の選挙の中で一番良い結果をいただきました。少し、選挙のあり方が変わったような印象があります。

本来であれば、ここでお礼のあいさつを述べるべきところでありますが、公職選挙法第178条により、以下の行為が禁止されています。

有権者に対して、当選または落選に関しあいさつをする目的で
・有権者に対して戸別訪問すること
・文書、図画を頒布し、または掲示すること
 ただし、自筆の信書および有権者からもらった祝辞・見舞に対する返信を除く
・新聞紙、雑誌などを利用すること
・放送設備を利用して放送すること
・当選祝賀会その他の集会を開催すること
・自動車を連ね、または隊伍を組んで往来するなど、気勢をあげること
・当選したお礼に当選人の氏名、または政党、政治団体の名称を言い歩くこと

これらには期限が設けられておらず、またインターネット上のものは「文書、図画」と現状はみなされるため、ここでお礼のあいさつを述べることができません。私も選挙終了後の4日間、選挙期間中に立たせていただいた駅に立ちましたが、お礼は言わずに、朝のあいさつをさせていただきました。以前、当選決定後に街宣車でお礼を言って回った方の話を聞いたことがありますが、おそらくは違反とみなされるでしょう。

以上のような制約により、皆様にはっきり申し上げられなく、申し訳ない気がいたしますが、今後4年間の活動でお返しをしていく、ということでご理解をいただきたいと思います。

未来に向けて選択を

長かったようで、短かったような数ヶ月間が過ぎ、明日から統一地方選挙の後半戦が始まります。どの候補者も、家族や周りの方に支えられ、ここまで準備してこられたと思います。稼業化と揶揄されますが、二世・三世の方には、それはそれで相当の大きな悩みがあると思います。これは、候補者になってみないと分からない「実感」のようなものだと思います。

名古屋市の影響もあってか、尾張旭市を含め、近隣の選挙はどこも「激戦」との前評判です。それはそれで、選択肢が増え、政策論争ができる、という意味では良いことなのですが、それゆえに事前の活動はかなり激しいものであったのも事実です。どれだけ頭を下げたか、で決まるのが選挙だ、選挙はきれいごとではない、という意見が多くあります。しかし、私は、少なくとも現職に関して言えば、その4年間(あるいはもっと長い在職中)に、どんな活動や発言をし、どのように市民と接してきたのか、ということで評価を受けるべきだと信じています。お前はちっともあいさつに来ない、と言われても、あえて行きませんでした。その代り、ではないですが、いろいろな方とお会いする機会では、なるべくいろいろな方のご意見を聴くようにしていましたし、積極的に地域の活動にも参加をしてきたつもりです。それがどう評価されるのか、されないのか、それは分かりません。しかし、それでも家まであいさつに来てくれた候補を選ぶ、というのであれば、それはそれで仕方がないと思います。

しかし、その結果において行われる政治、そしてその結果である社会については、全員で責任を負っていく必要があります。決して、選んだ後は政治家が勝手にする社会ではありません。選んだ方にも応分の責任がある訳です。そのためにも、それぞれの候補者がどのような考えやビジョンを持ち、どのような具体策でそれを具現化しようとしているのか、有権者一人一人が判断することが必要です。もう、あれもこれもの時代ではなく、あれかこれか、の時代であります。事業仕分けがはやりですが、仕分けなのですから、生み出された財源の一方で、なくなったサービスなどがあるはずです。スーパー堤防は良い例でしょう。そういうこともひっくるめて、その政治家がどのような社会を目指しているのかを判断し、自分の考えに一番近い方を選択してください。

あなたの一票は未来に繋がっています!!

候補者の資質と、人間の資質

こうして自分の意見をインターネット上に公表できるのも、あと2日となりました。事前の政治活動も活発化してきていて、周りの方から「お前は街宣車で宣伝して回らんのか?」とか「たすきかけて駅に立たんのか?」とか言われるようになりました。毎回のことですが、それは公職選挙法に触れる恐れがあります。こんなことを言われるのも、選挙が近づいてきたのを実感します。

公職選挙法では、文書図画の配布等が禁止されています。インターネット上のものも文書図画と今のところはみなされるため、いろいろと「禁止」ということになっていますが、このあたりは法改正すべきとして議論がされているところです。

公職選挙法のやっかいなところは、「何が文書図画にあたるか」という明確な規定がなく、そのときどきの選挙管理委員会や警察の判断にゆだねる部分が大きいところです。チラシも、本来は名前や写真が入っていたら厳密にはダメなのでしょうけど、定期的な刊行物なら、というような解釈も存在します。

街宣車ですが、この時期に回っているのは政党の活動としての、いわゆる「政連カー」というものです。本来は、政党の活動をPRするためのものですが、「○○党は△△選挙において□□候補を推薦しました」や「機関紙○○の購読申し込みは□□まで」などと言って回っているのは、ぎりぎりのところで「□□」という候補者名を売り込むためです。ところが、最近走っている政連カーを見ていますと、明らかに「□□」を連呼しているような印象があります。中には、候補予定者がタスキをかけて助手席に座っているケースもあります。場合によっては、注意を受けかねない行為です。

タスキも微妙で、政党名が入っていればOK、と言っている人もいます。ただ、政党名より名前が大きければ、明らかに…ですし、やはり選挙直前は売名行為とみなされる恐れが高いです。

できあがった選挙ポスターを街頭に貼って、隣に演説会の告知を貼っているようなケースも見受けられました。政党の二連・三連ポスターのまねかもしれませんが、「弁士は自分だけ」なんて、恐らくアウトだと思います。

入学式に来る親子を狙って校門で待ち構え、「写真を撮ってあげる」と近づき「自分は…」というような、一歩間違えれば犯罪として通報されかねないことも行われていたようです。

正直、選挙が近づくと

何でもアリ

という、カオスのような状況になってしまいます。みんな、選挙で勝とうと必死、なのは分かります。自分もそうですから。しかし「しょせん、文書違反は警告で済むから」などとうそぶく候補者もいますが、やったもん勝ち、捕まらなければ良い、という考えはいかがなものかと思います。候補者たる政治家は、これから自治体の運営の一翼を担おうとする人でもあり、その地位を得るために、法に抵触することもいとわない、ということでは、候補者としての資質はともかく、人間としての資質を疑われる、というものであります。いかに高邁な理想や公約を掲げていようと、 人間としての資質に疑問符がつくような人になってはいけないと思います。

自分が完ぺきだというつもりはありませんが、どれだけ「選挙はきれいごとではない」と言われようとも、候補者としての資質を疑われようとも、人間としての資質や誇りだけは失わないよう、これまで活動してきたつもりですし、今後もそれを変えるつもりはありません。願わくば、有権者の皆様が、各候補者のそういう部分にも目を向けていただけるとありがたいな、と思います。

※公職選挙法の解釈については、選挙管理委員会や警察が最終的に判断するものであり、私の判断や考えが必ずしも正しいというものではありません。今回書いた内容については、これまで私が見たり聞いたりしたことをベースにしましたが、最終的にはそれらの機関の判断となることを申し添えておきます


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